しばらくして由紀が帰り、一人になった病室……
「一樹……」
「アケミ♪来てくれたのか」
「良かった……起きてた。親父、何か言ってたか?」

「1週間ぐらいで退院出来るか決めるってさ♪」
「そっか、良かった。傷、痛むか?」
「まあね。でも大丈夫だ」

アケミが椅子に座り一樹に向き直る。
「さっき、由紀が来てただろ」
「あぁ……」
「ちょっとまずい事になっててな……」

「何があった!?」
「今、メイと由紀仲悪いんだ。今日も本当はうちら3人で来る予定だったけど……」

ーー由紀とメイちゃんか……

「一樹、俺に話してくれ。由紀と付き合ってるのか?」
「あぁ。夏休みにアケミがバーベキュー提案した時からだ。由紀とも話したが、メイちゃんには始業式の日に伝えるはずだった」

「そっか。やっぱり一樹と由紀が付き合ったか♪俺は最初から思ってたぜ。お前らが惹かれ合ってるのはな」
「そうだな……意識したらすぐだった」

「こりゃメイの入る余地はないね。見る限りメイは一樹が好き好き言うわりには何も行動は起こさないし……メイが何キレてるのか分からないが、俺は一樹の味方でいる。しっかり説明して、公になったら俺は二人をいじるから♪」
「それ、味方なのか?ったく……アケミ、頼みがある。俺が戻るまでの間、由紀とメイちゃんの仲を取り持ってくれ」

「了解だ!!」
一週間後……

「まったく……若い力って凄いんだな。良く一週間でここまで動けるなんて」
「早く退院しなきゃいけないからリハビリも倍で進めてもらいました」

「そうか。よし、君の退院を認めよう」
「よっしゃあ!」

「やったな一樹♪学校再開に間に合ったぜ」
「あぁ。早くトラブルを直さないとな」
「君は本当に厄介事に巻き込まれるね」

「仕方ないっすよ。でも、飽きないから良い」

「一樹、ちょっと学園のみんなにドッキリ仕掛けないか?」
「ドッキリ?何を……」

「じゃじゃん♪このビデオカメラでみんなへのメッセージを撮ってまだ戻れませんみたいな感じで、でも、一樹が登場ってな」

ーーちょっと面白そうだな
「よし、やるか♪」