地獄のハーレム

処置が完了した一樹は、個室の病室で3日寝続けていた。
理事長はずっと付き添い、孫の頭を撫でては手を握り、目が覚めるのを待っていた。
そしてついに……

「こ……ここは…」
「一樹、目が覚めたのね。今先生を呼んでくるわ」
「婆ちゃん……」
「動かないで」

ーー終わったんだな。意識が切れる前、アケミとメイちゃんが泣いてた。俺が傷つくのが嫌だって……
「婆ちゃん、学校は?」
「今は休みよ。少しあの子達は疲れちゃってるから……」
「婆ちゃんゴメンね。無茶するなって言われてたのに……」

「怪我はしてほしくなかったけどね……」

コンコン……
「は~い」
「羽田くん。気がついたんだね。ちょっと診るよ~」

「院長先生……俺……あれで良かったのかな?」
「あぁ♪よくやってくれたと思うよ」

「アケミが泣いてた。俺……アイツが泣くところなんて見たことなかったから」
「そっか。君は撃たれて肉体的にダメージを受けた……アケミは大事な友達がやられて心にダメージを受けたんじゃないかな?」

「心にダメージ……」
「っていっても去年、犯人達に負わされた恐怖からくる心の傷とは違う。君を想っての涙だよ」
「じゃあ俺がみんなを怖がらせてる事は……」

「一ミリもないね♪しっかり治して笑顔で学園に戻ればいい」