ここは、俺、羽田一樹が生まれ育った町…滝沢町(たきざわちょう)。
小さな港町だ。

俺は小4の頃、親の仕事の都合でこの町を出ている。その後あちこちと転々としたが、高2の夏、親は海外へ…残った俺は、滝沢町へと帰ってきた。

「やっと着いたな…」
空港で親を見送った後、電車、バスと乗り継いで4時間…
遠すぎる……

「あぁ……あの公園懐かしいな」
昔、幼なじみの女の子と遊んだ場所。すべり台と砂場の簡単な公園だけど子供の頃は飽きずに日が暮れるまで遊んだ……
「メイちゃん元気かな……」


懐かしくなり、休憩がてら公園のベンチに座った。
「うぁああん!!ユウくんのバカァ〜お城壊しちゃった〜」



あったな〜俺にも……お城壊しちゃってメイちゃんに大泣きされたっけ……

「よしよし泣かないで♪お城の作り方教えてあげるね」

女の子の頭を数回撫で、砂場に座った。