授業を「お喋り」呼ばわりされて、女性は教科書を叩きつけたくなる。


 でも、我慢。


「その差別撤廃は、まだ不可触族まで進んでいないのです。奴らは人間ではありませんから。

次へ進みます。我が国には、素晴らしい技術があります。それを私たちは『難職業』と呼びます。

クラネ様、これは復習です。難職業を4つ答えてください」


 話を振るも、やはり全く聞いていない少女。


 でも、我慢。


「クラネ様、お分かりになりませんか?」


 ひきつる笑みで訊き、顔を近づける。


「来るな。こんな基礎問題、自分で解けば良いじゃないか」


 少女は容赦なく女性の我慢を攻撃する。


 でも、我慢。


「分からないのですね?難職業とは特殊な能力を持った兵士のことです。

戦士、剣使い、魔法使い、僧侶を主に指します。何が特殊かというと……」