「ごめんなさい。
私…麗二くんの気持ちに答えられない」
「…どうして………?」
「私…純輝先輩が好きなんだって気付いたから…
自分の気持ちわかったから…」
麗二くんは一瞬哀しそうな顔をした。
でもすぐに笑顔に戻った。
「そっか…
じゃあ、しょうがないね…
紅葉の気持ち知れて良かった。ありがとう」
麗二くんは2人分のドリンク代の1000円をテーブルの上に置き、立ち上がった。
「あ、ひとつだけ言わせて。
紅葉が泣くようなことがあったら、俺すぐにでも飛んでく。たとえ純輝でも許さない。
いつでも紅葉を奪う準備はできてるから、純輝が嫌になったら、すぐ俺のところにおいで?」
「……ありがとう」


