「ちょっと晃~もう酔ってんの!?」


晶子がすかさずフォローに入る。


「だってお前!千秋は仁さんと付き合ってんだぞ?生半可な覚悟じゃ、もたないから言ってんじゃん!」


晃の言葉を聞いてなんだか実感が沸いて来た。


「いいか千秋!“マイクロシティのジン”だぞ?街行く女子達の王子様だぞ?多少の浮気でごちゃごちゃ言うなよな!!」


『あきらっ!!!』


私と晶子が口を揃えた。


仁は人事のように涼しい顔でビールを飲んでいる。


「あんたねぇ!いい加減にしなさいよ!千秋達はまだ付き合い出したばっかりなのよ!?」


晶子お得意のお母さんみたいな説教が始まった。


「ぶち壊すような事言うんじゃないわよ!」


「んだよ!好意で言ってやったの好意で!」


私達の目の前で、なぜか私達の事で喧嘩をしている晶子と晃。


すると仁が飲みかけのグラスをテーブルに置いた。


“ゴンッ!”


“ドキッ”


キッキレたっ!?


長い沈黙の後、仁は口を開いた。


「俺は浮気はしない。」


はっはぁ……よかった。色んな意味で。


「……けど、」


けど?


「束縛するのもされるのも嫌いだから。」


静かにそう言うと、仁は飲みかけのビールを一気に飲み干した。


それは…どういう意味!?


今、私に言ったの??