「……元気?」


“ドキっ…”


「まっ…まぁ。」


そう素っ気なく答えた。


 ………

 ………


長い長い沈黙が二人を取り囲む。


「…あのさ」


“ガラガラーッ”


弘人が何か言おうとした時、エレベーターは階についてゆっくり扉が開いた。



よかったぁ……。



早足で降りようとした時……


“ガッ!”


いきなり弘人は、私の腕を無理矢理引っ張りまたエレベーターを閉めた。


えっ!?


「……ちょっ!降りるんだけど!」


「ちゃんと謝りたくて。」


弘人が真剣な顔で私を見てそう言った。


謝り…たい?


今更何を!?



「あんな形で別れる事になって本当に悪かった。」



弘人はそう言って、深く頭を下げる。


「ちょっやめてよ…」


「俺別れたんだ、水原と。」


え?


「浮気してたんだあいつ」


私は絶句した……。



「信じられないよな、まだ2ヵ月しか経ってねぇのに。」


水原さんにじゃない。


「やっぱ軽い女だよなあいつ。」



そんな事を淡々と私に話す弘人に……。



絶望した。



「あいつと付き合ってお前の良さがやっとわかったんだ。」


弘人はそんなうんざりするセリフを私にぶつけた。



そして、私の顔を覗き込むようにしてこう聞いた。


「やり直せないかな?俺達。」