キミのとなり。

正面に仁が立っている。



父と深く頭を下げ合うと、ゆっくり私の横へやって来た。



夢だったバージンロードにこうして仁と並んで立っているという事が、まだ信じられない。



もう出会ってから5年以上経つというのに、今また私の胸は初めて仁を好きだと意識した時と同じような感覚に襲われている。



真っ白なタキシードを着たまさに白馬に乗った王子様…



「……っい、おいっ。」



ハッ!!



隣で腕を組んでこない私に、仁が小声で呼び掛けた。



慌てて我に帰り、仁の左腕を掴んだ。



そして一歩ずつ階段を上り、神父の前で立ち止まる。


目を閉じて神父の言葉に耳を傾けた。



溢れてくる想い……



込み上げる涙……



生きて来てよかったと思える瞬間は、人生でそう何度もない。



今の私は、心底それを実感していた。



そして、仁は私のケープを捲くり上げ優しいキスをくれた。



甘くとろけそうなキスだった。



《おめでとう~!!》



《ひゅー!!》



教会の扉が開き、私は仁と腕を組んで新たな道を歩き出した。


目の前でヒラヒラと花びら達が散っている。



大勢の人達が拍手と笑顔で私達の新生活を応援してくれている。



私達は、その花びらが舞う長い長いアーチを幸せを噛み締めながらくぐっていく。


こんな瞬間がくるなんて



大好きな人とこうやって未来を共に歩めるなんて



ねぇ、仁。



絶対これからもずっと一緒だよ。


死ぬまで―…



うううん、死んでも…。



どこまでもついていくから。