キミのとなり。

腰から崩れるように後ろにあった椅子に座り、止まらない涙を必死に拭う。



「…フッ」



それを黙って見ていた仁が軽く吹き出した。



「……なっなんなのよぉ…何かおかしいのよっ。」



「フッ……だってお前っ……泣きすぎ。」



仁はいつもと同じように私を小ばかにする。



「……だっ…だって…」



またじわっと温かい涙が頬に流れた。



「死んじゃったかと思ったんだもんっ…!」



「…勝手に殺すな。」



「だっ…て、全然目ぇ覚まさないんだもん!」



ぐちゃぐちゃの顔を更にぐちゃぐちゃにしてそう言った。


すると、ベットの上の仁の手がゆっくり私の方に伸びてくる。



必死に手を伸ばす仁。



私は咄嗟にその逞しい手を両手でしっかり掴んだ。



「……ごめんな、心配かけて。」



「…仁。」



「ずっと…居てくれたんだよな。なんとなく……感じてた。」



「……え。」



「お前の匂いや…声が…いつも近くにあった気がしてたんだ。」



 ……


 ……



「仁~っ!!」



私は思わず横たわったままの仁の胸に飛び付いた。



「イィッ…テ!」



「あっ!…ごっごめっ!」


「……おまっ、痛ぇよ。」


面倒臭そうに顔をしかめてそう言う仁。



前と何一つ変わっていなくてすごくホッとした。



そして少しの沈黙の後、仁は私を見てこう言った。



「誕生日…やり直さないとな。」



「えっ……」