キミのとなり。

「ねぇ…仁?」



“……”



「私の夢を言ってなかったよね。」



“……”



「私の夢はね……」



“……”



「仁のお嫁さんになる事だよ。」



“……”



「小学生かっ!て…、突っ込んでよ!」



“……”



「……いちいちうぜーよって、……笑って見せてよ。」


“……”



ベッドの上の仁は私が何を言っても表情ひとつ変えない……。



でも、きっと聞こえたよね?



これって結構、逆プロポーズだったりするんだからっ……



私は無気力な仁の右手を、ただただギュッと握りしめた。



泣いてばかりじゃダメだよね…



また仁に泣き虫って……



笑われちゃうかな。



“ガラッ”



その時、ドアが開いて誰かが入ってきた。



佐田さんだ。



佐田さんはベッドの横にいる私に気付き目を丸くする。



「…あなたっ!」



“ガタッ”



私は勢いよく立ち上がった。



「あのっ…」



「ちょっと!いい加減にしてくれない!?迷惑なのよ!」



ズカズカとどんどん距離を詰めてくる。



「かっ勝手に入った事は…謝ります。ごめんなさいっ。でも私っ…」



「いいわっ、警察呼ぶわ!」



えっ…



「これってストーカーと一緒でしょっ!?何の許可もなく病室にまで入り込んで!」



佐田さんは怒りに震える声で、私に罵声を浴びせながら鞄から携帯を取り出す。


「やっ…あのっ」



『ちょっと待てや。』



えっ…



佐田さんの背後でそう声がした。



私達は同時に病室の入口に目を向ける。



そこに立っていたのは桜井君だった。