キミのとなり。

それから更に時間は過ぎて、時刻は9時をまわった。


おかしいな…



何の連絡もないし…。



「ハァー…」



早く会いたいよー。



早く来て、仁。



「何か飲むかい?」



落ち込む私にマスターが気を遣って声をかけてくれた。



「あっ…いえ!もう来ると思うから。」



「そうだね。」



笑顔がだんだんひきつりはじめているのが自分でもわかった。




――10時




まだ仁は来ない。



耐え兼ねて仁に電話をかけてみた。



“トゥルルル…トゥルルル…”



いくら待っても仁は出なかった。




どうして?



まさか、忘れてる?



そんな訳ないよね、ちゃんと朝メールだってあったんだし。



やっぱり急な仕事が入ったのかな……



まさかっ…



佐田さんに見つかったとか!?



……やっでも、それでも連絡ぐらいできるよね。



だんだん不安が胸を締め付け始めた。



……気が



変わった……とか。



そんなハズっ……




ないよね?



鳴らない携帯をただ握りしめ、仁を待ち続けた。



「……おかしいね、もうとっくに過ぎてるのに連絡もないなんて。」



マスターは時計を見ながら心配そうにそう言う。



「………。」



「事務所に連絡してみるかい?」



「いえっ…大丈夫です!」


それはできない。



そんな事してもし佐田さんにバレたら……



また背筋がゾッとした。



あっ!そうだ!



ケンチャン!!



慌ててリダイヤルを押した。