キミのとなり。

仁を見送りにマンションの下まで降りた。



「…ねぇ、これからどうなるの?私達。」



不安に苛まれ、そう聞いた。


「さぁな。先の事は考えないんじゃなかったのか?」


両手を黒いパンツのポケットに入れ、少し悪戯な笑顔を見せた。



「……そうだけど。」



「まぁ、なるようにしかなんねーだろっ……」



足元の石ころを蹴飛ばし、やたら適当に答える仁。



少しムッとした。



また自分だけ必死みたいで……。



「あっそ。」



「……何怒ってんだよ。」


「別にぃ。」



仁は、頭の上にクエッションマークを浮かべながらむくれ上がった私を見ていた。



「あっお前知ってる?あの部屋の秘密。」



「秘密?……あぁー夢が叶うとかなんとかいうやつでしょ?」



「なんだ、知ってんのか。」


「あの不動産屋のお爺ちゃんから聞いた。」



「あのじいさんまだ現役なのか…。」



「凄いよね!」



「本当、よく働くじいさんだな。」



「やっそーじゃなくてっ!」



「あ?」



「夢だよ夢!ちゃんと叶ったじゃん。」



「あー…まぁ一応な。」



改めて、今自分の目の前にいるのがマイクロシティのジンである事を実感する。


出会った時からは想像もできないくらい変わった仁。


ブラウン管から飛び出してきた別世界の人間みたいに光り輝いて見える。



思わずうっとりと見とれてしまう程だった。