そっか……ここは桜井君のマンションだ。


明け方まで飲んでたんだけど……いつの間にか寝ちゃったんだな。


ゆっくり起き上がり、桜井君の姿を探した。


部屋を見渡してみたけど、彼の姿はなく、床の上に脱ぎ捨てたように桜井君が着ていたジャージとタオルケットが無造作に置かれていた。


床で寝てくれたんだ…。


なんだか悪いことしちゃったな。


ベッドから足を下ろし、立ち上がるとテーブルの上に置き手紙があった。



“朝一で会社から電話があって急きょ出勤になりました(泣)帰りは夜になると思うけど、もしまだ先輩が居てくれてたらちょっと脈ありやと思っていいですか?(なんつって~!)んじゃ、行ってきます!
追伸、かわいい寝顔ごちそうさまでした!!”


“ドキッ……”


桜井君……。


彼の為にも私はちゃんと進むべき道をはっきりさせないといけない。


仁と向き合って答えを出す事から逃げていてはいけない気がした。