「あっこれ、よくない?」


晶子が柄シャツを私に見せた。


晃が着ているのを想像してみる。


「なんかチンピラみたい…。」



「え?……そう??」


首を傾げて商品を元の位置へ戻す。


「…あっじゃーこれは?」


と言って、今度はパッションピンクの花柄のビキニパンツを私に見せた。



「晶子……。晃のこと、どうしたいの?」


目をぱちぱちさせて意味がわからない様子。


意外とセンス……ない?



晶子は本当に楽しそうにプレゼントを選んでいる。


まるで自分がプレゼントをもらうみたいにうれしそう。


本当に好きなんだな。


――プレゼントも無事決まり、買い物を初めて2時間程が過ぎた頃。


「そういえば、どこいったんだろうね。あの二人。」


「全然会わないね。」


「ちょっと電話してみる?」


私は鞄から携帯を取り出し、仁にかけてみる。



プルップルルルル…プルルルッガチャッ


「…あっもしもし仁?」


「……。」



また仁は無言で電話に出た。


ったく、電話なんだから話さなきゃわかんないっての!!


そう思ったけど、面倒臭くて話しを進めた。


「今どこにいる?私たち今水族館の前でっ……」


【もしもし】


 ……!


え……。


【もしもし?】


電話に出たのは仁ではなかった。


それは、どこかで聞いた女の声だった。