そして迎えたグアム旅行当日――


「仁!早く、間に合わないよ~。」


朝からバタバタと部屋中を行ったり来たり。


「そんな焦んなくても大丈夫だって。」


飛行機の時間が迫っているのにマイペースな仁は、タマとじゃれあって遊んでいる。


「タマの事なら大丈夫だよ、ちゃんと若菜ちゃんに頼んでおいたから。」


「それが心配だっつーの。」


「ははっ……。一応合い鍵渡しておいたし、今日仕事が終わったら迎えにきてくれるはずだから。」


仁はタマを抱き上げぐしゃぐしゃと頭を撫でた。


「帰って来て変わり果てた姿になってたらお前が責任とれよ!」


「だっ大丈夫だってぇ。」


たぶん。


《ブッブーッ》


表でクラクションの音がした。


「あっ外にタクシー待たせてあるの!急ごっ。」


大きな荷物を2つ持って玄関に向かう。


仁はタマにキスをして“じゃーな!”と床に離した。


いつものようにサングラスをして頭に帽子を被り変装した仁と玄関に向かう。


「じゃー後でこいよ。」


「了解!」


私達はこんな時でもマスコミを気にして一緒に下へ行く事ができず、時間差で行動しなくてはならない。


ホントに面倒臭くてもどかしい!!