翌朝目を覚ますと、横で出掛けたときのままの服で死んだように眠る仁がいた。


「いつ帰ったんだろぉ。」


ゆっくり寝顔を覗き込むとそこにはマイクロシティの貫禄などまるでない素の仁がいた。


サラッと髪を撫でると眩しそうに一瞬目を開けた。


「あっごめっ起こした?」


仁は何も言わず布団に潜り込み私に背を向ける。


なんだよっ!


ふて腐れて出勤準備をする為ベッドを降りようとした時、布団から出た仁の手が私の腕を掴んだ。


驚いた私はゆっくり仁の上に被さった布団に手をかける。


ガバッ!


私が布団を剥ぎ取ると仁は一瞬無邪気な笑顔を見せそっぽを向く。



「何よ、遊んでるヒマないんだからね!」



次の瞬間、仁は毛布ごと私を後ろから包み込みベッドへ倒れ込んだ。



「きゃあ!」



ドスンッ



「もぅ痛いじゃん!!」


バシバシと仁の胸を叩く。


「ハハハハ…イテッ!」


朝のかすれた声で仁が笑った。


「何がしたいのよ!」



すると突然仁が私を抱きしめた。