キミのとなり。

どんどんお酒が進む中、私は我を忘れて普段人に話せないような事を口にしだした。



その内、話しはズレ始め、終いにはただの愚痴になっていった。



「だからさぁ~、私は一体なんなのって話しなワケよ!わかる~?ねぇ、わかるかって聞いてんのぉ~!」


「はいはい、わかりますよ!ってか先輩飲み過ぎですよぉ~相当ストレス溜まってたんだなぁ。」



「最初はいいと思ったのぉ!それでも。仁のそばにいれるるだけでぇ~。でもさぁ~…」



「舌廻ってないし。」



「なんかぁ、虚しくなってきちゃって……。」



知らない内に涙が流れていた。



「せつないじゃない!街で仁のポスター眺めてるだけで熱狂的なファンだと思われて笑われるんだよ?後輩に彼氏は?って聞かれてもいないって言わなきゃなんないんだよ!?」



「はっ…はぁ」



解ったような解ってないような顔でそう答える若菜ちゃんの背中を勢いよく何度も叩く。



「こんっなに好きなのにさぁ~なんか悲しいじゃないよぉ~!」



「イタッイタイッ先輩落ち着いてくださいよぉ!」



涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔のまま私はテーブルにへたれ込む。



ピピピピピッ…ピピピピピ…♪



その時、私の鞄の中で携帯が鳴った。



それに気付き若菜ちゃんが私の肩を揺する。



「先輩!携帯鳴ってますよ!携帯!!」



「ん~もぉ飲めなぁい。」


「あーぁ。ダメだこりゃ。」



頭の隅で鳴り止まない私の携帯の音がする。



その音に少し意識を戻した。



若菜ちゃんが鞄から携帯を取り出し私に差し出す。



頭では出なきゃと思うのに体が言う事をきかない。



完全に泥酔状態だった。