キミのとなり。

仁と私はまだ、肉体関係はない。



今時有り得ない！って突っ込まれそうだけど、本当なんだ。



私はやっぱり結婚にこだわりがあって……。



もちろん、今までそういうシーンがなかったわけじゃない。



だけど、その度に怖くなって逃げ出した。



私の心には深い傷がある。


もし深い関係になった後、裏切られたらもう立ち直れない気がする。



弘人に裏切られてからもっとそういう思いが強くなってしまったんだ。



仁をちゃんと信じられない自分が腹立たしい。



余計な事ばかり考えてる自分が嫌になる。



だけど仁は、そんな私の思いを全て受け入れてくれている。



普通なら嫌気がさして別れを切り出されてもおかしくないのに。仁は決して焦る事なく、『千秋のタイミングでいい』と、言ってくれた。



そんな仁となら……と、少しづつ決意が固まりつつある。



私の話しを聞いて若菜ちゃんは感心したように何度も頷いた。



「素敵な関係ですね！」



「ふふっ…まぁ、辛い事も多いけどね。」



「よし！飲みましょう！こうなったら全部吐いちゃえ！聞きますよ、惚気話も愚痴も！」



「ん～、じゃお言葉に甘えちゃおうかな！」



『よぉし！カンパーイ！』