晃を見送って晶子は口を開いた。


「入ってい?」


「あっ…うん。」


昔から何も言わなくても晶子には私の気持ちがわかってしまう。


「仁さんと何かあった?」


「……。」


「千秋今、ひどい顔してるよ。」


「……晶子。」


「ん?」


「仁にフラれたよ。」


「えっ!?」


私は今あった事をゆっくり晶子に話した。


話しを聞いた晶子は深刻な面持ちを見せた。


「……そうなんだ。」


「私は仁の何を信じればいいの!?応援してくれって、ついてきてくれって言ってたんだよ!?」


「……。」


「そんなにすぐ気持ちって変わるもの!?」


「……。」


塞き止められていた水が一気に流れ落ちるように、頭で考えていてもまとまらない思いが次から次へと私の口をついて出て来た。



「本当嘘ばっかりだよ、あいつ……いっつも自分の事しか考えてなくて。」


「千秋ぃ。」


「最初から最後までほんっと自己チュー!」


だけどポロポロと流れ出る涙を止めることは出来なかった。


何を言おうとも好きな気持ちは本当だから。


「あっごっごめんね!なんか愚痴ったらすっきりした!あっ何か用があって来たんだよね!?」


立ち上がってコーヒーを入れようとした時、


「ねぇ、千秋」


「ん?」



晶子が静かに口を開いた。