「…ふぅー」


白い息を黒い空に吸い込ませながら、君はぷらぷらと繋がった手を振りながら歩く。


「……」


ぼーっとしている様に見えて

だけど、時々、ふっと苦し気な表情をしていることにきっと君は気付いていない。


「…さむい?」

「…ううん」


ねぇ、知ってる?


君がそんな顔をする度、僕がバカみたいに胸を苦しくさせているなんて。

バカみたいに呼吸がし辛くなっているなんて。



……きっと君は気付いていない。