「えー…ゆきぃ…?」

「雪だね、どう見ても」


がっかりした様な君の声。

君はとても寒がりだから。雪が降ると、小さな体を更に小さくしてしまうんだ。


「さむい?」

「さむいー」

「傘、持ってこればよかったね」

「んー、でもこの雪なら大丈夫だよ」

「そっか」


君は雪を好きではないけど

僕は好きなんだ。


雪の中にいる君が
とても、好きなんだ。


でも、風邪、ひかないでほしいから。



「……ん」


僕の茶色の手袋で

君の白いミトンを包んだ。