「愛して、いたのよ…」
女はそうつぶやき、男の胸から抜き取った包丁で、今度は自分の胸に突き刺した。



「これでっわ、たし、たち…ずっと、一緒、ね…」
女は昔のように優しく微笑みながら男の隣に倒れこみ、息絶えた。






たった一度の過ちで全てを失った男と、愛しすぎて狂ってしまった女の、哀れな末路がそこにあった。