廃墟とかしたビルの屋上に一組の男女。



男は尻餅をつきながら必死の形相であとずさる。



鼻水混じりに涙を流し、情けなくも「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」と悲鳴をあげつづける。
男を支配していた感情はまさしく死への恐怖だった。



そんな男に一歩一歩ゆっくりと踏みしめるように近づき、柵のない屋上の端に追い詰めていく包丁を持った女。