中に入ってまず案内されたのは、漢字ばかりの薄暗い部屋だった。
そこにあった白いベッドに寝かされていたのは、
――お父さん・・・!
お母さんが泣き崩れてるよ・・・。
いやだ、いやだって言ってる・・・。
「・・・!蘭は!?」
あたしは、この中にいないもう1人の家族を探した。
「蘭!蘭!どこ?!」
「杏、蘭はね病院にいる・・・」
病院・・・・。てことは、
「蘭は、生きてるの・・・?」
「えぇ」
「行こう!今すぐ!」
「・・・・。」
「お、お母さん?」
お母さんは、何も言わなかった。
病院に着いたのは、それから30分後。
真っ先に目に入った、隔離された部屋。
あたしはその部屋に向かった。
たった1人の弟を見つけるために・・・。
