家に帰ると、3時だった。
「杏、後で俺の部屋に来て」
今日は、杏と恋人同士なんだからいいよな?
「うん。分かった」
ガチャ
「入るよ、蘭」
「あぁ」
杏がベッドに座った。
「なんの話?」
「杏と話したかっただけだよ」
嘘だけどな。
「え?あっそうなん…」
チュッ
杏の言葉を遮るように、俺は杏にキスをした。
この想いが伝わるように――。
唇を離した後の杏は、真っ赤な顔をしていた。
「いきなり…なにするの…?」
「なにって、キスだけど」
「もう!ビックリしたよ!」
悪かったな。
でも、口に出して「キスしていい?」とか言えねーんだよ。俺は。
ギュッ
杏が俺を抱きしめてきた。
ビックリした…。
なるほど、こうゆうことか。
「蘭大好き…」
俺に顔を見せないように、杏が呟いた。
「俺も好きだよ」
そして、今日2回目のキスをした。