「この前の告白、聞こえてたよな…?」

やっぱり――。


「……うん」
「でも無視したってことは、そーゆーことなんだろう?」
「…蘭、今から思ってること全部言うね。黙って聞いてて?」
「あぁ」
「あたし、蘭が告白してくれて嬉しかった。あたしも…蘭が好きだよ。
 あの時蘭を無視したのは、あたしと蘭が結ばれてはいけない関係だから」


もう1つだけ、蘭に言いたいことがある―。


「杏…俺達の関係ってなんなの?」
「全部言う…。覚悟、してね」
「うん」
「あたしと蘭は、双子。双子の姉弟なの。」
「!?」
「蘭は、11年前に記憶を…あたしに関する記憶を失った。
 お父さんの死を見たから。だから…」
だから…無理なの…。


「構わないよ。」
「え?」
「双子で姉弟でも、好きなんだよ杏が」
「蘭…」
「なに?」
「今日だけ、今日だけ蘭の彼女にしてっ」
「うん。ありがとう」
「じゃあ、戻ろうか」
「あぁ」




帰り道。
あたしと蘭は手を繋いでた。