あの声、どこかで聴いたような気もする……。

でも、思い出せない。幼い女の子の声。


『蘭。・・・・』
――誰?


「っ!………夢…か」

気づいたら朝だった。
そっか、あのまま寝ちゃったんだ…。


それにしても、昨日の声といい、今日の夢といい
あの子は一体、誰なんだ?



そしたら何故か、昨日の杏の姿が浮かんできた。
何で…何でこんな気持ちになるんだ?

「俺…あいつのこと……好きなのか?」

いや、きっと違う。


でも、分かってたんだ。
この気持ちが本物なのかぐらい。