志羽にまたねと声をかけて、あたしは教室を出た。

なんか、蘭と顔合わせづらいなぁ。


でも、合わせたくない時に限って

合わせちゃうんだよね・・・。



家が見えてきた時、

「杏」

と呼ぶ声がした。
振り向くと、はぁ・・・やっぱり蘭だ。

「なに?」
「なんで帰っちゃうの?」
………なんでそんなこと聞くの?

「別に何でもよくない?」
「あ………ごめん」

って、これじゃああたし悪いことしたみたいじゃん!

蘭しょぼーんってしてるし・・・

「ごっごめん蘭!蘭のこと避けてたわけじゃないから!」
「嘘。避けてた」

うっ、さすが双子(気づいてなくても)

「ごめんね、ただふ・・・!」

危なー!双子って言うとこだった!

「ふ?なにふって?」
「間違えたの。親戚が同じクラスっていうのもなぁ。って思っただけ」
「ふーん。そっか。分かった。疑ってごめんな」

そう言うと蘭は、満面の笑みを見せてくれた。

かっ可愛い!