静かな部屋に響く電話の音。
それを取ったのはお母さんだった。


「おばあちゃんが・・・亡くなったって」

あたしはおばあちゃんと、もう10年くらい会ってない。

「そう・・・なんだ」
「お葬式は、明日だって」
「うん、分かった」


いつだって始まりは突然なんだよ。


――次の日、あたしとお母さんは早々と家を出た。
おばあちゃんのお葬式に出るために。

でも、あたしはアイツに会えるかもしれないという小さな望みを持っていた。


――アイツ・・・あたしの弟、宮崎蘭に。