というか何故わたしが恥ずかしくなるんだ…!
行儀悪いとは自覚しつつも、不本意ながら先輩の台詞に照れてしまったわたしは、箸をくわえたまま軽く俯いた。
「ヒナちゃん…!」
「……先輩?」
そして何故かわたしの頭を撫でるミナ先輩。
朝の努力を無駄にするようにわしゃわしゃにされた。
「先輩…せっかくセットしてきたのに……」
「ヒナちゃんが悪いんだからね」
…意味がわからない。
一通り撫で回した後、ゆるりゆるりと戻すように優しく髪を滑る。
「せ、先輩……」
目を細めてわたしを見つめる先輩は例えるならまるで上品な家猫のよう。
先輩がこうするときはわたしが甘やかされているようで、実は先輩が甘えていることをわたしは知っている。


