発情クライシス



じとーっとミナ先輩を軽く睨んでみる。


柔らかそうな茶髪は緩やかにウェーブがかかっていて、

同じく茶色の瞳は楽しそうに細められて、

白い肌は今日も煌めかんばかりに綺麗。


……かっこいいなぁ。


容姿は言うまでもなく、スタイルも抜群。

頭脳明晰でありながら弓道で全国大会にも出場したらしい。

その上、社交的な性格で、全校生徒憧れの副会長サマが目の前で微笑んでいる。


なんで、だろう。


「ヒナちゃん」

「あ、…はい」

「そんなに見詰められると照れちゃうな」

「うぇっ!? や、その…」


睨んでいたつもりがいつの間にか見惚れてるなんて…!

ていうか全然照れてる素振りないですけど!


「って、先輩が最初に見てきたんじゃないですかー!」

「あはは、だって可愛いからね。ヒナちゃんが」

「んむ……っ」


なんで先輩はこんな恥ずかしい台詞をぽんぽんと…。