少しすると、気持ちが落ち着いたみたいだ。

その時、初めて気づいた。

柚葉と柊哉先輩がいるということに。

プルルルル・・・

タイミングが良いのか悪いのか、誰かの携帯が鳴った。

「悪い。俺だ。」

柊哉先輩はそう言うと、外へ出て行った。

「姫佳チャン、大丈夫?
良かったらこれ飲んで。
気分が落ち着くと思うよ。」

「...はい。ありがとうございます。」

少しして、柊哉先輩が戻ってきた。

「ごめん。ちょっと急用できた。また明日な。」

柊哉先輩は、そう言うと帰っていった。

「姫佳。何があったの?」

「実はさ...。」

あたしはゆっくり話し始めた。