先パイとあたし


「いいよ。」

「まじ!サンキュ!
じゃぁ、俺ん家でやるから3時半に学校な!」

「わかった。」

「じゃぁ、あとでな!」

俺は、素直に嬉しかった。

俺のことを”ダチ”って言ってくれたことが。

こんな俺にも、まだそう言ってくれる人が居てくれたことが。

でもその日、俺が帰ろうとしたとき。

「おい波野!今日いつもの溜まり場に来いよ。」

谷川にそう止められてしまった。

「・・・。」

俺は何も言えなかった。

すると突然。

「谷川、悪いな。柊哉は今日俺んち来るんだよ。」

そう言ったのは、あいつだった。