先パイとあたし


「だって別に悪いことしてないしー。」

「変な奴。」

俺はそう思った。

でも、あいつがすごいと思った。

なんの躊躇いもなく、はっきりとそう言えるあいつが。


それから何日かして、あいつが俺に言ったんだ。

「なぁ!波野って頭いい?勉強得意?」

「別に。普通だけど。」

この頃の俺は、もうあいつに対して”めんどくさい”と思わなくなっていた。

「なら、俺に勉強教えて1」

「は?」

「俺、次のテストマジで頑張らないとまずいんだ。
だから、俺の勉強教えて!頼む!
なっ、俺らダチだろ!!」

ダチ...。