〜瑛斗side〜
学校。
ガラッ
「はよー。」
「おー。瑛斗っ。」
大樹が手招きする
大樹は俺の親友だ。
「今日は早いじゃん。」
「今日は車だったからな。」
「あれ?いつも車じゃなかったっけ?」
「ここ2日間だけ歩き。」
「なんで?」
「放課後話す。」
すると大樹がニンマリと笑った。
「りょーかいっ」
くそっ…。コイツ、勘づいてやがる…。
「あ、あのっ!瑛斗くん…///。」
香水臭い女が顔を真っ赤にしながら話し掛けてきた。
あー。またか…。
「ん?どうしたの?」
俺はニッコリ笑った。
まぁ、いわゆる営業スマイルだけど。
「その…。ここ分からないんだけど、教えてもらえないかな///?」
そう言って、香水臭い女が教科書を俺の前にかざして近づいた。
うわ。マジ香水臭い。早く終わらせよ。
俺はシャーペンを取り出した。
「ここはこうすればいいよ。こっちと同じやり方だから大丈夫だと思いよ。」
「あっ!そっか〜。ありがとーねっ///」
女は友達のところに戻りキャッキャッ騒いでた。
「モテるねー。」
大樹がクシクス笑いながら話し掛けてきた。
「あの女、めっちゃ臭かった。」
「さっきと態度違いすぎ。」
「お前も俺と同じようなもんだろ。」
俺は学校ではいわゆる"いい子"を演じてる。
大樹も俺と同じだ。
ガラッ
「HR始める。席に着け。」
先生の一言でみんな席に着く。
「えー。前回のテストだが、西園寺がまた一位をとった。」
「すごーい」
「さすが瑛斗くん。」
周りの奴らが騒ぎ立てる。
(別に公開することでもないだろ。)
「ニ位は名倉だ。」
「大樹くすごーい!」
「やっぱりあの2人は違うわ!」
俺と大樹はずば抜けて成績もよく周りからの信頼もある。
そのせいか俺らは…。
「さすが、学園のプリンス!」
と、呼ばれている。
今どき"プリンス"ってなんだよ!
「以上にてHRを終了する。」
「礼。」
「ありがとうございました。」
ガヤガヤ
そしてHRが終わると決まって女子が集まってくる。
「瑛斗くんと大樹くんすごーい!」
「さすがよねっ」
「ははっ。そんなことないよ。な、大樹。」
「そうだよ。運が良かっただけだよ。」
あー。マジ疲れる。
