〜優花side〜


放課後。


はぁ…。
今日は疲れた…。


「中野さん。」


瑛斗がニコニコしながら話しかける。


「……何?」


もとはと言えば瑛斗のせいなんだから


「林が迎えに来てるから帰ろ?」


次の瞬間、みんなの視線が私たちに集まった。


「え、うそ!?」
「一緒に下校!?」
「まさか…デキてる?」


女子たちが騒ぎ立てる。

ちょ……何これ!?
なんでみんなの前で言うのよ!?


「え…じゃなくて。西園寺サン。意味わか――「俺たち一緒に暮らしてるんです。優花、帰るよ?」

そう言って、瑛斗が私の手を取った。


「えー、ショック…」
「でも、優花さんじゃ…。」


私は女子たちを睨んだ。

「「す、すみませんでした!!」」


瑛斗は私の手をひき、ドアに向かう。


「ちょっと待て。」


侑が私と瑛斗の前に立って、道をふさいだ。


「何かようかな?」


「お前って、二重人格?キャラ違うくね?」


「高木さんには関係ないかと。それでは失礼します。」


そう言って、瑛斗は私の手を引いて教室を出た。

「あ…。真……。」


私は瑛斗に車に乗せられた。


「ちょ…。帰るなら別々に……っ」


瑛斗が突然、私の制服の制服ネクタイを引っ張った。
そして、瑛斗が顔を近づけてきた。


近い!
近い近い!!


「………優花。」


「な、何よ…。」


何、動揺してんのよっ…!!

「夜……お仕置きな。」


瑛斗はそう言って、妖艶に微笑むと、ネクタイから手を離した。


「お、お仕置き!?」


私、何かしましたっけ!?された覚えしかないんだけど!!


「…クスッ。制服…直せば?」


そう言って、瑛斗は私の胸元に指でトンと触れた。


「〜〜っ!何するのよっ///!!」


私は瑛斗の手をどかせ、制服を直した。


わ、私としたことが…。てか、あんたのせいで制服乱れたんでしょ!!


私はしばらくの間、瑛斗を直視する事が出来なかった。