〜優花side〜


転校生かー。
…ホント転校しないですんでよかった。


「楽しみだね。」


「うん。」


「おーい。入れ。」


ガラッ


………え?


「転校生の西園寺瑛斗と名倉大樹だ。」


「「よろしくお願いします。」」


「きゃー。イケメンっ」
「彼女いるかな?」


「女子黙れ。西園寺は中野の隣。名倉は大雅の隣だ。」


先生はそれぞれ、席を指差した。


カタ


「中野さん。よろしくね。」


そう言って、瑛斗はニッコリ笑った。


……意味不明。
…てか、なんで二人ともこのクラスなの!?


ガタッ


侑がいきなり立ち上がった。


「転校生紹介終わったから行くわ。てっちゃんバイバイ。」


そう言って、侑は教室から出て行った。


「あ、侑!」


私たちは侑を追いかけた。
行き先はやっぱり屋上。

「侑!いきなりどうしたの?」


「……別に。優花。」


「は、はい!」


「アイツに解放されたんじゃないのか?」


「いや…。転校がなくなっただけで、一緒に暮らしてる…。」


「ふーん。」


そう言って、侑はそっぽを向いた。


「…侑?」


侑…。
どうしたんだろ…。


私はカバンを探った。


あれ?
ガムない…。


「教室に忘れ物したから、取り入ってくる。」


「はぁい。」


私は教室に向かった。