〜優花side〜


「中には俺の親父が入るから。」


瑛斗はそう言って、微笑んだ。


え、お父さん!?


瑛斗は扉を開いた。


「瑛斗様、優花様。お食事のご用意が出来てますのでこちらに。」


私たちは林さんに誘導され、座った。

そして、向かい側には、瑛斗に少し似た人がいる。


「優花ちゃん…だね?」


「は、はい。」


「俺は、西園寺圭斗。そこのガキの父親。」


そう言って、圭斗さんは微笑んだ。


「誰がガキだ。このくそジジイ。」


「るっせー。ガキ。ちなみに俺はまだジジイじゃねぇ。」


「ジジイじゃんか。46は立派なジジイだ。」


………え。


「よ、46!?」


「ははっ。そうだよ。」


「え…。46に見えないくらいカッコイい…。」


「クスクス…。ありがと。」


「ちっ。」


「何?瑛斗、ヤキモチか?」


「ちげーよ。ハゲ。」


「まだ。ハゲてねぇよ。」

仲、いいんだな…。


こんな感じの会話が二時間くらい続いた。


「ふっー。じゃ、俺は行くわ。」


「行ってらっしゃい。そして二度と帰ってくるな。」


「ヒドい息子ーっ!!優花ちゃん慰めてー。」


そう言って、圭斗さんは抱きついてきた。


「!?」


「このクソ親父ーー!!」


瑛斗は圭斗さんを引き剥がした。


「ち…。じゃ、優花ちゃん、またね。」


そう言って、圭斗さんは笑顔で帰って行った。