〜優花side〜
私は今、西園寺サンから案内された部屋にいる。
玄関と廊下は見たけど……。
「お城……?」
「フッ…。ここがお前の部屋。」
部屋の中は白の家具で統一されており、小物はピンクの可愛らしい物が置かれている。
すると、西園寺サンが私の顔を覗き込んだ。
「…気にくわないか?」
「ううん…。素敵…。」
「夜まで時間ある。夜になったら呼ぶからそれまで休んでろ。6時までにはクローゼットの中にある服に着替えてくれ。」
「分かった…。」
「んじゃ。」
すると、西園寺サンは部屋から出ようとた。
「西園寺サン!!」
すると、西園寺サンは振り向いた。
「……。」
西園寺サンは私に近づいた。
「…斗。」
「え?」
「瑛斗って…呼べよ。」
そう言って、西園寺サンいやー…瑛斗はそっぽを向いた。
「あ、うん。瑛斗、私、しばらく学校休んでいいかな?いきなりの転入だし…。」
「分かった。じゃ、夜な。」
そう言って、瑛斗は部屋を出て行った。
私はベッドに横になった。
「転入なんてヤダよ…。みんな…会いたいよ。」
私はひっそりと泣き、知らぬ間に眠りについた。
――――花。優花。
ん……。誰か呼んでる。
私は重たいまぶたを上げた。
すると、瑛斗の顔がドアップ。
「え、瑛斗!?」
「たく…。早く着替えろ。」
そう言って、瑛斗はベッドの上にピンクのシンプルなドレスを乗せた。
「あ…。ゴメン…。着替えるね。」
「あぁ。」
……あれ?
瑛斗がいっこうに部屋から出ていこうとしない。
「着替えないのか?」
「いや…。その…。部屋から出てもらえませんか?」
「?なんで?」
いやいや。なんでって…。
「着替えられない…。」
「はぁ…。仕方ないか。」
瑛斗はしぶしぶ部屋を出て行った。
私は着替え、部屋を出た。
すると、部屋の前では瑛斗が待っていた。
「行くぞ。」
瑛斗は私の手を取り歩き出した。
?いったいどこに行くんだろう?
