〜優花side〜


学校。


ガラッ


「あ、優花ー。おはよっ」

雅人が机から顔を上げて、笑顔で言った。


「おはよ。雅人、寝てたの?」


「まーね。みんなまだ来てないよ。」


「侑は?」


「来てるよ。確か屋上。」

「ありがとう。」


「今日の優花、大人…。」

この雅人の呟きが私の耳には入らなかった。

私は屋上に向かった。


ガチャ…キー


いつものドアの音が悲しげに聞こえる。

侑は景色を眺めてた。

風が侑の髪に触れる。


かっこいい…。


「侑…。」


「お、優花。ん?今日、ケンカすんの?」


「ははっ…。なんでそうなるのよ…。」


「だって、いつも喧嘩するときポニーテールじゃん。」


「気分だよ。」


「まぁ、俺は好きだけど。」


そう言って侑は私の髪に指を通した。


「サラサラ〜。触りたくなる〜。」


そう言って侑は無邪気に笑う。


可愛い顔して…。


侑は楽しそうに笑う。


「侑。今から言うことちゃんと聞いて?」


「?うん。」


「私ね中学の時、ケンカとか男遊びすごかったの。」


「知ってる。」


「クスクス…。んで、私、絶対に恋愛なんて出来ないって思ってたんだ。」


「うん。」


「で、高校入って、侑たちと出会って、私、変われた。」


「うん。」


「それで…好きな人できた。」


「え?」


私は侑をまっすぐ見た。

「高木侑さん。あなたが好きです。」