〜優花side〜


「優花っ!」


侑たちが駆け寄ってきた。


「二人とも、侑には黙っててね?」


私が小声で言うと愛たちは頷いた。


「なんもされなかったか?」

そう言って侑は私を覗きこんだ。


「大丈夫だよ。つか、なんかあったら相手蹴飛ばして侑たちのとこに逃げるし。」


「そっか。なら良かった。」

侑は笑った。


「………愛達暗い。」


さすが空…。


「そんなことない!ね、愛?」


「あ、うん。」


「ま、今日はいろいろあったし。帰ろうぜ。」


侑がそう言うとみんな頷いた。



次の日。


私はいつものように鏡の前に立った。


「髪型どうしよう…」


「優花ちゃん、遅刻するよ?」


そう言ってお母さんは微笑んだ。


「大丈夫だよ。」


「そう?朝ご飯冷めちゃう前においでね。」


「うん。」


そう言ってお母さんはパタパタとスリッパを鳴らして行った。


今日は…ポニーテールにしよ。


侑はポニーテールが好きだ。

だから今日はこれ。


「いただきます。」


私は朝食を食べた。

お母さんはその姿を微笑ましそうに見る。


「行って来ます。」


「行ってらっしゃい。気をつけてね?」


「はい。」


ガチャン…


私はガッツポーズをした。


「笑顔!」