人魚はそれからしばらく、海の一番深い棲家で

じっと考えごとをしていました


そうして
ずっと考えたあと
部屋中を綺麗に掃除して

あぶくをひとつ
こぼしました

「おまえに会うのも悪くはないな」

人魚は馬鹿ではありませんでした

けれど
けっきょく

彼ももう
寿命だったのでしょう