清水君の嫌いなヒト



私が清水くんの傍にいるのが自然な事になっていったらいいな
なんて

ちょっと乙女思考になってしまった



「…ありがと」



思えばこのとき
もっと警戒心を持っておくべきだった








触れたのは柔らかく少し濡れた唇

少しの吐息が頬を掠める

見開いた目に私よりさらさらの髪の毛が映る



「え……」

『口にはしないよ、まだ』


“まだ”って…ドウイウイミ?


「きゃ、キャパオーバー…」


私が髪の毛を掻き毟る勢いで自分の頭を掴むと
清水君は何がおかしいのかクスクス笑い出した



『何?榊もキスしたいの?』

「なっ!?」


清水君からキスという単語が出てきたところで
ようやく今された事が頭の中で処理できて遅れ遊ばせながら赤面してきた



『いいよ、キスしたいならすれば?
…口にしたら殺すけど』

「へっ?」


もういろんな事が怒りすぎて頭の中がパニックになりそうだ




『窒息死させてあげるってこと、どう?』



この笑みは、危険だ


いくら男性に免疫が無い私にでも分かるほど妖艶で禍々しかった



世の中では
こういうのを色気とか欲情とかって言うのだろうか?