清水君の嫌いなヒト



僕もとりあえず思春期と言う一番盛り時の一高校生なのですよ


人間の温もりに触れたいとか思っても良くない?



そういう欲求には淡白な方だと自分では思ってたんだけど

…どうやら違ったようだ



ガチャッ

『咲良ー、電子辞書貸して…って』

『ああ、机の上乗ってるから勝手に取って』


突然ドアを開けて入ってきたのは
二つ上の兄貴の嵐だ


なんだか呆れたような顔をしてこっちを見ているのは
僕が寝ている榊の頭を撫でながら応対しているせいだろう


『彼女寝かせて何するつもりだよ』

『僕が菓子持って来る間に勝手に寝たんだよ
それに…彼女じゃない』


彼女だったらこんなに悶々とした気持ちを抱えて無いね

今はまださらさらとした髪を触るだけで押さえ込んでいる


『友達以上恋人未満?うわー初めて見た』

『うっせーな、そっちは彼女いるからそんな事言えんだよ
悲惨な振られかたして別れてしまえ』

『そんな毒舌だと振られるぞ』


はっ、と鼻で笑う兄貴に
…榊が起きてたら絶対「お兄さんと似てるねぇ~!」と言う気がする


自分でもこういう動作で
あー、血が繋がってるなと感じてしまうんだからなおさらだろう



『いいよ、僕も今度すばるさんに兄貴がすばるさんの水着の写真やその他もろもろ大切に持ってるって報告しといてあげるから』


『うわー、お前本当にやりそうで怖ぇわ』


兄貴曰く“会えないときの補充剤”と言っているが


正直ヒく




『ま、せいぜい頑張れよ
可愛げなしな名前だけ見れば女の子に間違われる咲良君』

『ちょっとそこの国道のど真ん中突っ立ってろよクソ兄貴』


『おー、怖っ』とあくまでふざけている兄貴は満たされているから俺ほど気分がささくれ立っていないのだろう


あれだ、今風の言葉に直すと
“リア充爆発しろ”ってやつだ