ここで榊が寝ていて暇なので
僕の話でもしようか
僕が榊と出会ったのは…なんて
そんなとこから話なんてするわけ無いじゃん
いちいち覚えて無いし
たぶん高校入ってから知ったんじゃない?
話したのは2年になってからが初めてだと思うけど
もう普段からこんな感じに馬鹿全開で
綺麗な顔してるのに残念だ
だから…そうだ
影で隠れて
泣きそうな顔をしていたのを、たまたま見かけたときから
ちょっと気になり始めたんだ…
いつもの榊が元気一杯過ぎて
傷つくことなんて無いと思って、きつい事を言ったときもあったから
…その顔は
僕に罪悪感を植えつけてしまった
そもそも
僕が他の人間に焦らされる事自体が稀だ
だから…
《好きです!付き合ってください!》
君にも僕と同じ気持ちを味わって欲しかったとか
そんな事を考えちゃったんだよね
え、親友の暖(ダン)が彼女を好きだから断ったんじゃないのかって?
そんな美談を僕が正直に語ると思う?
真実は闇の中って方が僕が暖に借りを作ったと思わなくていい
…そうだよ
あの日の昼休み
『榊が泣いてる』って暖から電話があって
思わず誰にもあの泣き顔を見せたくないと思ってしまったんだよ
一生の不覚だ
『場所教えろ、やっぱり暖には渡さない!』なんて
かなり子供じみた啖呵を切ってしまったと後で深く羞恥と後悔に襲われた



