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『榊ー、ジュースもついでに持ってきてやった…って、おい』
清水がおやつを自室に持ってきたら…
口を半開きにしてクッションを枕にして眠りこけている榊がいた
『…僕のクッションによだれ付きそうなんだけど』
仮にもこれがお嬢様なのかと考えると頭が痛くなってきた
まぁ、普段からお嬢様っぽいどころか、女の子っぽいところがあるのかさえ疑問だけどな
と、清水は呆れながらおやつを机の上に置いた
『男の部屋で寝るとか…鈍感以外の何者でも無いんだけど』
口では毒を吐きながらも
榊を見つめる瞳はどこか優しげだ
さらりと触れるか触れないかの距離で、榊の髪を触る
まるで境界線があるように、触れる事をためらっているようにも見えた
『ねぇ、榊…』
こんな無防備な寝顔見せるなんて
僕はそれほど対象外ってこと?
僕に好きだって言ったのは本当に恋愛の“好き”?
僕が女の子を家に呼ぶなんてどれだけ勇気が要ったか分かる?
“天和(テンナ)”って本当は言いたいのに
どれほど心の中で呟いてるか知ってる?
全部全部、まだ君の気持ちが固まってなさそうだからこらえてる僕を
君は本音でどう思ってる?
いろんな言葉が頭の中に浮かんでは消えていき
全て言葉になることはなくて
『やっぱ、
僕じゃだめ?』
悲しそうな、寂しそうなその顔は
一瞬だけ榊のそれに近づいて
…すぐに離れていった



