「どうして…」
唇から出るのは頼りないほどかすれた音
朦朧とした頭の中で
リピートする清水くんの言葉
『どうしてだと思う?』
問いかける清水君も熱に浮かされているようで
いつもよりもほんのりと赤い頬に黒目がちな瞳が“小悪魔”を連想させる
私の腰の後ろで手を組んで抱きしめるような格好になる
喉まで出かかった言葉が声にならない
『榊が嫌いだからだよ』
息を呑んだ
そんな私の肩におでこをくっつけて
清水君は畳み掛ける
『大っ嫌いだ!…』
私は
こんなに愛のこもった大嫌いなど聞いた事が無い
清水君は天邪鬼
告白の言葉までも
私の望む言葉を言ってくれないのに
私の心が満たされて溢れだすような言葉を言ってくれる
『畜生…無防備に男の部屋で寝る馬鹿になんで僕が好意を持たないといけないわけ?
しかも何今更女の子ポイント出して来るんだよ
これだけ出せるんだったら普段頑張れよ』
悪態を吐いても
馬鹿みたいに嬉しくなれるのは
この腕が優しいからだろうか
「清水君…あの、私は清水君の事
好き、だよ?」
慣れない腕の中で体を縮こまらせながら
清水くんの様子を伺った



