LAST EDEN‐楽園のこども‐

「おい、雨宮だろ?」


「より、とも……?」


「久しぶりじゃねぇ?」


心から嬉しそうな笑顔を浮かべて涼を見るその人物は、かつて教鞭をともにした佐々木頼知その人で、涼は思わず目を見開いて頼知を凝視した。


「何だよ、ジーッと見て」


垂れた目尻は、会わなくなった頃と変わらないままだ。


「頼知?」


「おう」


頷くときに瞬きをする癖も変わっていない。


涼は、自分の記憶が音を立てて数年前まで遡っていく気がした。


また、頼知も目の前にいる懐かしい少女を、信じられないような気持ちで見つめていた。


ぞんざいに前髪を上げ、まるで男のようなナリをしている涼。


それは確かに小六の時分、同じクラスで仲の良かった雨宮涼に間違いはなかった。