さらりと吹いた風が微かな匂いを運ぶ。 こうやって、夏が過ぎて行く。 少し遠くに見える入道雲を観察しつつも夕立、くるのかなーなんて。 思ったりするわけで。 「…祐介、傘持って来た?」 「…一応?」 「そっか、ならいいんだ」 「夕立でもくるの?雛」 「多分ね…」 青々と澄み渡った空が、 暗鈍に潰されていく。 あの風景は、好きでもなければ嫌いでもない。