エントランスで、雛は意外にもバス乗り場へは向かわなかった。



「雛どっち行くんだよ」



「どっちって、こっちだけど」



あぁはい、そうですね。



次のバスが来るまであと10分。



七海は音楽聴いてるし・・・



俺はケータイを開いて、メールやらの着信履歴をチェックする。



・・・と、




「陸、七海、じゃーね・・・!!」




遠くから聞こえた声に視線を向けた。